個性を尊重しすぎる会社の未来感満載のワークスタイルとは!?〜VR法人HIKKYさん〜

個性を尊重しすぎる会社の未来感満載のワークスタイルとは!?〜VR法人HIKKYさん〜
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ユニークな働き方、組織運営を実践するVR法人HIKKY(ヒッキー)さんが掲げるのは「個性を尊重する(しすぎる)環境」。未来のワークスタイルを考えるべく、PRディレクター松澤亜希美さんに、詳しくお話を聞きました。


社員同士が顔も名前も知らない!?

●「個性を尊重する(しすぎる)環境」のために、具体的にはどのような体制をつくっているのですか?


フルリモートでフルフレックス、ほとんどの社員が自由出勤、という体制です。オンラインでミーティングなどを行う際は、多くの社員が「アバター出勤」しています。

こちらは(下図)、そのワンシーンです。それぞれ好きなアバターを使い、ハンドルネームで呼び合っています。


ですから、ほとんどの社員はお互いの実際の顔も本名も知りません。管理部門は本名や経歴を把握していますが、採用の面接もオンライン、アバターで行うことも多いので、本当に「誰も顔を知らない」社員は何人もいます。


当社はリアルのイベントも開催しているのですが、初めて対面で会う機会があると、びっくりしますね。かわいらしい女の子のアバターで認識している方が、実際は年上の男性だったり。アバターでは、話し方やしぐさも含め完璧に女の子、リアルでは見た通りふつうの男性なので、少しとまどうこともあります。

反対に、顔出しも自由。幹部や私を含む一部の社員は、アバターも使いますが、顔出し&本名で仕事をする人もいます。



●コロナ禍でリモート勤務は一般に定着したものの、ミーティングなどでは顔を見せて話すケースが多いと思います。御社がアバター出勤を採用されているのはなぜですか?


当社にとって、これが自然な形の働き方だからです。


私たちは、今では世界最大のVRイベントとなった「バーチャルマーケット(Vket)」の創設から始まった会社です。現在弊社役員のCVO (Chief Virtual Officer)「動く城のフィオ(フィオ)」の発案に、代表の舟越靖らが賛同して、創業しました。


元々フィオは、大手広告代理店やエンターテインメントのベンチャー企業、つまりリアルの第一線でバリバリ働くビジネスマンでした。しかし、あるときうつ病を発症し、一切外に出たり、人と会ったりできない状態に。それまでの仕事は続けられませんが、結婚してお子さんもいたので、稼がなくてはなりません。

そんな時にバーチャルに出会い、この空間の中でアバター姿だったら人と自然に交流できることに気付きます。

そこで、バーチャルの世界で生きていくことを決め、そのためには経済圏が必要だと、「Vket」を構想したのです。


社名のHIKKYは「ひきこもり」が由来です。当社にはフィオ以外にも、アバターでいることが自分にとって自然、アバターでいることでより円滑なコミュニケーションが取れるという人もたくさん所属しています。

一方、舟越や私のように、リアルとアバターを併用している人もいます。リアルとバーチャルを融合、行き来できるシームレスなワークスタイルが、私たちには合っているのです。


誰もが力を発揮できる環境を

●アバター出勤の良いところは何でしょうか?


フィオをはじめ、すばらしい能力を持つ人材を、「リアルで働けない」という理由で埋もれさせるのは、もったいないことです。

私自身はずっとリアルの環境で働いてきたので、途中入社した際は少し戸惑いましたが、すぐに慣れました。アバターを使ったコミュニケーションにストレスは感じませんし、ごく自然にバーチャルの姿を社員本人と認識しています。

バーチャルの環境やアバター出勤で多様な才能を活用できるなら、会社にも、社会にとってもよいことです。

それに、女性はメイクや服装に時間がかかりますが、アバターはいつも完璧にかわいい理想の姿です。極端に言えば、すっぴんやパジャマのままでも、社員とも外部の方とも、ふつうに話ができるわけです。これは便利ですね。


一方、代表の舟越は、本人は体格のがっちりとした男性なのですが、かわいらしい二頭身のアバターを使っています。代表の肩書もあり、リアルでは相手に構えられてしまうこともありますが、バーチャルではやわらかいキャラクターに。思われたい自分に、印象をコントロールできるメリットもあります。

実際に、コミュニケーションが変わることも実感しています。

リアルだと少し話しづらい相手でも、アバターだとお互いとても自然に会話ができるんです。例えば本人がリアルではコミュニケーションの苦手な人でもアバター姿だと自信を持って話せたり、見た目ですぐわかるような女性・男性・年齢という区別をする情報がないからこそフランクに話せるということが大いにあるんです。


●Face to Faceのコミュニケーションがないことのデメリットはありますか?


特に、ないですかね…。

アバターは表情を変えることはできますが、リアルと比べれば感情が伝わりづらいのは確かだと思います。ですが、コミュニケーションに不都合や不自然さを感じたことはありません。


リアル、アバター、テキストと、コミュニケーションの手段には一長一短があり、どれか一つがベストということはありません。私がリアルで話したいと思い、相手も了解してくれれば会って話せばOK。嫌だと言われても、特に不満を持ったり、ショックを受けたりすることはありません。「そうか、それがあの人の個性なのね」と


力を発揮できる環境は人により違います。それを自由に選択できることが、個性を尊重する環境なのだと思います。

 


まとめの編集会議

ワタシゴト編集部の木下(コラボスタイル社員)と小越(フリーランスライター)が、取材を振り返り、未来のワークスタイルを考えます。


木下:面接からアバターとは驚きました。社員同士の顔を知らないって、すぐには腑に落ちませんでした😳


小越:松澤さんが、「別に、ふつうです」と、さらっと言っているのがおもしろかった。


木下:そうそう。お話の後半では、遠くない未来に当たり前のワークスタイルになるぞ! と納得していました。


小越:多様な人を包括する、という点で大きな流れに沿った組織であり、働き方なんでしょうね。


木下:アバターを活用することで、いつも好きな自分でいられて、自信を持ってコミュニケーションして、存分に能力を発揮できる、というのは、わかる気がします。


小越:容姿やプライベートの環境にかかわらず、すごくフラットな関係になりますね🤔


木下:一方で、私たちのコラボスタイルでは、採用でも、マネジメントでも、表情や話し方など業務スキル以外のリアルの人となりを、とても大事にするんです。ワークライフバランスのなかで、ライフが充実してこそ、よいワークができると😌

必ずしもリアルに基づかない姿でワークするアバター出勤とは、正反対にも見えます。


小越:ワークもライフもその人の本質であり、つながっているという考え方ですね。どちらも「自分らしくある」という意味では、HIKKYさんとコラボスタイルは似ているんじゃないでしょうか?

ただ、HIKKYさんの話から、「リアルの姿(実体)だけが、その人の本質とは限らないよな」とつくづく思いました。


木下:そうですね!リアル/バーチャル、ワーク/ライフの区別の仕方、または区別すること自体を考え直したほうがよさそうです。場によって表面的な姿や人格は変わっても、本質的にありたい自分で生きるのが大切だし、それが許容されるワークスタイルが広がっていくーー。


貴重なヒントをいただきました!

 

小越建典
記事を書いた人
小越建典

課題解決クリエイター 広告代理店の営業マンを経て、2007年にライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアの企画・執筆を担当。2014年ごろからはオウンドメディアの企画・運用に携わり、販売促進や広報・PR、ブランディングなど、コンテンツで企業の課題を解決する提案を得意とする。 メディア執筆、書籍の実績も多数。近著に「4コマで日本史(山川出版社)」。自社にてニュースレター「ソルバ!イノベDB」を運営。